「北海道らしい食文化」の創造を目指して

1 趣 旨

 この法人は、北海道内の中小事業者および組合組織等に対して産学の連携を促進し、ワインを核とした産業クラスターの創出に関する事業を行うことで、6次産業化の進展、国際競争力およびブランド力の強化等に向けた活動を側面支援し、地域経済の発展と食文化の創造に寄与することを目的として設立いたします。
 北海道は国内で唯一の夏乾燥性の気候と広大な面積を活かしたヨーロッパ系の葡萄収穫量が日本一として知られるようになり、そこからつくられるワインは北海道の食と親和性の高い商材であると位置づけることができます。しかしその一方で、「素材一流、調理二流、サービス三流」と長年に亘って揶揄されるように、北海道産の個々の食品は極めて魅力的でありながら付加価値率の低さが問題になっています。これは第一次産業と二次、三次産業の連携不足あるいはマーケティングが貧弱であることが要因と考えられ、結果として地域経済の発展を阻んでいることにほかなりません。
 北海道の中小規模事業者等が長年直面しているこれらの問題に対しては、隣接産業と組み合わせた「ワインクラスター」の展開によって、その解決を図ることが可能であると我々は考えます。なぜならば、ワインはそれ自体が農業と工業の結びついた産業であり、食や観光・工芸との関連はもちろん、研究機関や教育と関連して地域産業の中核をなす発展のエンジンとなることが、米国カリフォルニア州のワインクラスターの事例からも明らかであるためです。
 そこで、この法人は北海道内の食や観光産業ならびに大学等と連携したクラスターを形成し、本道におけるワインツーリズムの推進やワインと食のマッチングを通じた商品開発等に関する事業を行い、中小企業者及び組合法人等に対して、6次産業化の進展、国際競争力及びブランド力の強化等に向けた活動を側面支援することで、付加価値率の向上と地域経済の発展を推進します。これにより、本道における新しい産業・食文化の創出に寄与することが、我々が設立する法人のミッションです。この組織を運営するにあたい、社会的信用力や公共目的の明確性、活動資金の確保が必要になることから、特定非営利活動法人の設立が望ましいと考えています。

2 申請に至るまでの経過

 平成21年2月、国土交通省北海道開発局札幌開発建設部の呼びかけにより、「北海道ワインツーリズム」推進協議会準備委員会が発足しました。これは、①北海道におけるワインツーリズムの普及と定着を図ることを通じて、歴史の浅い北海道の各ワイナリーが各々の特性や特色を磨きながら、世界に通用するワイナリーへと発展することを目指すとともに、②ワイン周辺商品の開発を促進し、ワイン周辺商品を含めた関連商品の販売力の強化を図り、さらには、③北海道への短期移住の促進、④農業従事者の確保などの副次的効果の創出にも寄与すべく、ワインを通じた北海道の活性化に資することを目的としたものです。平成21年4月、準備員会から任意団体として活動を開始、そのメンバーは複数異業種の民間企業の経営者、行政機関、そして道産ワイン懇談会(業界団体)によって構成されております。
 これまでにメディアでの掲載は100件を超え、主要な活動として札幌市内発着の日帰りバスツアーの運行や北海道内および首都圏等における道産ワインの啓蒙活動を行い、行政機関や「ワインツーリズム山梨」をはじめとする道内外の関係機関・団体との連絡協議等を実施することによって、北海道産ワインの知名度と評価の向上に貢献してきました。さらには、平成24年に観光庁と北海道運輸局による「ニューツーリズム」モニター事業への採択、北海道庁の食関連産業推進室による「ヴァンフロマージュ北海道」へのコンソーシアム参画など、道産ワインをきっかけとした北海道経済活性化への牽引役としての期待が大きく高まってきている状況にあります。
 しかしながらその一方で、ボランティア的な運営組織であり法人格を有さない任意団体であるために社会的な信用力が弱いことから、安定的な収入基盤の未整備により持続的な活動が困難という問題が生じるなか、協議会発足当初の理念であるワインを通じた北海道経済活性化に向けて、組織の発展方法を模索してきました。
 このような経緯から、平成24年5月21日に発起人会を開催し、平成24年9月20日には賛同者が集まり設立総会を開き、「北海道ワインツーリズム」推進協議会を継承する特定非営利活動法人ワインクラスター北海道を設立することとしました。