「北海道らしい食文化」の創造を目指して

NPO法人ワインクラスター北海道では、北海道を道産ワインと食のマリアージュを通じて経済の面でも食文化の面でも素晴らしいものにしていきたいと考え、シニアソムリエであり北海道らしい食づくり名人に登録をいただいている私が中心になって、マリアージュの開発やレシピ監修、ブドウ畑やワイナリーを訪問するワインツーリズム、ワイン・テイスティングを楽しめる北海道・ワインセンターの運営などの事業を行っております。

 

この度、石狩市役所企画経済部からの依頼により、江戸幕府に献上されていたという歴史を持ち、当時の製法を再現することで石狩市の新たな名産品としての発売の期待が高まる「寒塩引」に合う酒類の選定を「味わい」「食べ方」「地理的近接性」の3つの視点を踏まえて実施しました。このうち、特に「味わい」と「地理的近接性」ということはとても重要であり、フランスのようにワインと食、お酒と食のマリアージュが確立していない北海道では、「味わい」と「地理的近接性」を意識して、新たに独自のマリアージュを生み出すことが可能です。

 

今回、寒塩引の味わいを何度も確かめながら、ワインに限らないさまざまな酒類との組み合わせを考え、実際に合わせてみることを繰り返しました。料理とお酒の組み合わせの原則には「似たような味わい」「同じような色合い」が大きなヒントとなります。これはたとえば、新鮮なイカの刺身にカイワレ大根や大葉をのせて、レモンと醤油をつけて食べると、フレッシュで爽やかな酸味を持った北海道産の辛口白ワインを冷やして飲むとおいしいことや、鰻の蒲焼には冷やした酸味の強い白ワインよりも常温においた渋めの赤ワインの方がおいしく感じることが例としてあげられます。

「寒塩引」の場合は色合いは赤黒く、その風味は香りと旨みが飛びぬけて強いものでした。私自身の20年以上にわたるソムリエの経験でも、世界に先進的な例のない石狩市独自のマリアージュの発見に向けて、とても奮い立つものがありました。

それらを踏まえて完成した「寒塩引とお酒の組み合わせ」について、リーフレットの一部をご紹介させていただきます。(完成披露会での阿部代表の講演を抜粋)

※石狩観光協会の「寒塩引」については以下のホームページをご参照ください。
http://www.city.ishikari.hokkaido.jp/site/salmon/14356.html

寒塩引 お酒との相性 しおり

また、ワインクラスター北海道ではこのようなアドバイザー、コンサルティング業務を承っております。
商品開発、お酒とのマッチング等についてご興味やご依頼がございましたら、
ご遠慮なく電話(0134-64-5581)やメールにてご連絡くださいませ。

完成披露会での講演とパネルディスカッションの模様です。(石狩市役所提供)

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6月5日の北海道新聞朝刊(社会面)の記事は「どうしんWeb」からご覧いただけます。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0141930.html

6月10日の北海道新聞朝刊(札幌圏)にも「寒塩引」の大きな記事が掲載されました。
ワインクラスター北海道のこともご紹介をいただいております。ありがとうございます!

尚、本年度分の「寒塩引」は完売したとの連絡を石狩市よりいただきました。